医学部は偶数の年(2年、4年、6年)が忙しいともっぱら言われるのですが、2年生は解剖実習などの基礎医学の膨大な勉強、6年生は言わずもがな医師国家試験があります。
そんな中で、なぜ4年生?と思った方もいるのではないでしょうか。
医学部4年になると、国家試験の次に重要と言われる大きな試験が待ち構えているため勉強で忙しくなると言われています。その試験こそが「共用試験」と呼ばれるものです。「共用試験」は2種類の試験から構成されており、知識を問うCBTと診療技能を評価するOSCEがあります。
CBTは、普段から課されているレポートや試験の範囲の全てが問われる試験であり、試験範囲としては国家試験に次ぐ膨大なものとなっています。対して、OSCEでは診療技能を評価されるため、「一次救命措置(BLS)」「問診の態度」「頭頸部診察」など複数の項目の課題が受験生には課されています。
2023年度からは、これらの試験は公的化されたため、合格した医学生にはStudent Doctorという資格が与えられることになりました。またこの共用試験の合格は、医師国家試験の受験資格の一つになったことで、学生にとってこの共用試験への合格対策準備はより一層重要なものとなってしまいました。
まず、OSCEの課題ってなに(簡単に)
基本的診療技能に関する試験であるOSCEには、多項目の課題が存在します。それぞれの課題に対して、評価項目というのは存在し、一つ一つの評価項目に対して合否判定が行われる試験です。
詳しい評価条件については、CBT・OSCEの評価機構であるCATOのサイトに掲載されている情報を確認してください。
どれくらいの準備期間が与えられるの?
試験日程は大学によって異なるため、CBTの後にOSCE受験がある大学もあれば、OSCEの後にCBT受験がある大学もあります。大体CBTとOSCEの試験の間に1ヶ月から2ヶ月ほどの期間が空いている大学が多い印象です。
準備を早くから取り掛かる学生は、CBTの勉強と並行してしていることも多い印象でした。

ちなみに私の大学はCBTが先で、その約1ヶ月半後にOSCEがありました。
どうやって、OSCE対策する?
友達と練習しよう
基本的診療技能というのは、何度も何度も、対人で繰り返し練習するしか、身にはつきません。おすすめの対策方法としては、友人3人と私の4人グループで、患者役と医師役を交互に練習していました。1人が医師役、もう1人が患者役、そして試験官役の1人が評価項目を見ながら医師役を評価することを繰り返していました。
評価者は必ず評価項目一つ一つをチェックして、医師役の学生の診察技能で忘れているところや間違えた診察方法をしていないかどうかをしっかり確認しておきましょう。
おすすめの書籍について
CATOの評価項目の冊子
これぞ、OSCE試験におけるバイブルです。明記されている評価項目チェックリストの一つ一つを確認して、自分の診療技能にモレがないかどうかは、この冊子を使って必ず確認しましょう。
https://www.cato.or.jp/pdf/hyouka_1.1.pdf
『診察がみえる』シリーズ
先にあげた「CATOの評価項目の冊子」は文字でしか書かれていないため、実際どのように診察すべきなのか想像がつきにくい場合があります。その際に参考書として使うべきなのはmediLink社出版の『診察がみえる』シリーズです。図解や写真で診療方法が詳しく説明されているため、文字ではわからない細かな診察技能の把握にとても役にたつ一冊です。