医学部学士編入受験を目指し始めた皆さんにとって、まず最初に悩むのは『どうやって勉強すればいいの?』『何から手をつければいいの?』というところだと思います。情報が少なく、また合格者自体の割合も少ない医学部学士編入試験については、私も受験を目指し始めた当初はわかりませんでした。
足を運んだ書店には、受験対策の参考書が山のように並んでいて、『どれを買えばいいのかよくわからない』なんてことありませんでしたか?

私は、まず最初に買った本が『医学部編入への生命科学演習』という参考書でしたが、正直な感想…買わなきゃよかった…。
色々な失敗を繰り返しながら、合格に辿り着いた私の参考書決定版の記事になります。市販の参考書だけでなく、利用した予備校(KALS)のテキストやワークブックについての正直レビューもしていきたいと思います。
是非とも参考にしていただければ嬉しいです。


まず、取り組むべき教科は?



まず何から取り組めばいいのかわからない!
受験勉強を取り組むことを決めたものの、受験校の選定や受験科目が決まっていない方も多いと思います。ネットで調べていると、「生命科学と英語だけでいい」とか「物理や化学も必要」など色々な噂が飛び交っていますよね。これは、受験する学校によって必要な教科が変わってくるためです。
高校生物レベルでいい大学もあれば、物理・化学・数学なども必要とする大学があるので、受験校選びはできるだけ早めにしておきましょう!
まずは生命科学と英語!
ですが、全部の大学に共通して課される科目が、『生命科学』と『英語』です。この科目だけは、受験生全員が勉強しています。まずは生命科学と英語の勉強に取り組み始めましょう!
予備校がオススメな人とは?



予備校に通うことが良いと言われているけれど、
すごく高価だから簡単には手が出せない。本当に良いのか知りたい。



最終的に、私も受験のために約100万円使いました。本当に高すぎる。



そんな大金払わないと合格できないの?どんな人に予備校はオススメなの?


参考までに2025年2月1日現在では、公式サイトによると、この価格が受講費用として必要です。



ちなみに、私は『総合コース』を申し込んでいました。
私が受講した頃よりも値上がりして、当時は100万円くらいだったと思います。
学士編入試験は本当にお金がかかる試験です。受験費として3万円かかりますし、また移動費や宿泊費なども加わってきます。加えて、英語試験(TOEFLやTOEIC)なども受験が必要になれば別途かかります。そのため、予備校費用は抑えておきたいという気持ちはわかります。どういう人に予備校がオススメなのか、逆に予備校は必要ない人の傾向について、まずお話ししたいと思います。


予備校がオススメな人
- 文系で理系科目が苦手な人
- 1年で合格を決めたい人
- 独学で合格をもらえなかった人
- 北から南までの複数校受験を検討している人
予備校は必要ない人
- 理系出身(特に薬学部)の人
- 数年かけて受験勉強をする予定の人
- 受験校が3校以下の予定の人
予備校のメリットとデメリットについて
予備校に通うメリット
メリット
- 過去問や面接質問、予備校模試なども見放題
- 勉強でわからないことをチューターに直接質問できる
- カウンセリングで受験校選びから、書類の内容に関するアドバイスまでもらえる
予備校に通うデメリット
デメリット
- 高価
- 講義は、eラーニングで予習など忙しい
- 1コマでカバーする内容が多いため、自己学習が必須である
- 化学や物理などの講義内容は粗末だった
市販の参考書のオススメ
★★★★★ 超オススメ
是非とも全受験生にオススメしたい参考書です。学士編入受験をするにあたって必須だと考える参考書類ですので、是非とも手に入れて使いこみましょう。
基礎問題精講・標準問題精講 生物
はじめの一歩として、高校生物の知識を入れる必要がある人に全力でオススメしたい参考書です。解答解説がしっかりとしており、問題のセレクションもとても重要度の高いものだけが選ばれており、本当に良質な参考書です。全ての生物の内容が網羅されているため、解説まで読み込むことで必要な知識はほぼ全て理解できるようになります。
基礎問題精講だけでなく、標準問題精講まで勉強しましょう(これが受験の基礎レベルになります!)
予備校の完成・ 実戦レベルのテキスト・ワークブック
こちらは予備校のテキストになります。予備校講座には基礎・完成・実戦があり、『ほとんどの学士編入受験では、完成レベルまででいい』と聞きます。しかし、私の考えでは、完成と実戦を両方で、受験に必要な生命科学の全範囲を網羅しているので、できるだけ両方とも揃えるのがベストです。
各大学の過去問
過去問は、それぞれの大学の傾向対策に有用です。絶対に入手しておきましょう。
大学によっては過去問を公式サイトなどで公開している場合もあるので、気になる大学はできるだけチェックしておきましょう。


★★★★☆ オススメ
超オススメほどではないですが、少しでも受験勉強に助けになるような参考書でしたので、是非とも購入を検討してみても良いと思います。
予備校の模試・実力テスト
様々な出題方法を知るためにも、本番さながらの問題演習をしっかりとこなすことが受験勉強では必要になります。そのため、予備校独自の模試や実力テストなども、是非とも利用してほしいです。これらは予備校で見放題・コピーし放題ですが、入校してから利用できる特典になります。
たまにメルカリなどに出ていることもありますのでチェックしてみましょう。
医学部編入への英語演習
私は英語の勉強というのは過去問でしていましたが、唯一オススメできる英語の参考書としては、こちらになります。
まず、巻末付録の重要単語リストがとても優秀です。約1500語が収録されており、『テーマ別重要単語リスト』と『学士試験合格のために覚えておきたい重要単語』が掲載されているところが暗記に役立ちます。掲載されている過去問の問題形式も多様であり、和訳問題から英作文などの対策までできるので、網羅的に英語試験の対策になると思います。
ただし、解説は簡素なため英語が苦手な人には少しハイレベルかもしれません。その場合は、まずは志望大学の過去問などを解いていくことをオススメします。
好きになる免疫学
私は受験期に免疫の範囲がとても苦手でした。そんな時に図書館で出会ったこの1冊のおかげで、私の免疫の勉強のスピードが倍速になっていく感じでした。
免疫の全体像を物語として読むことができ、セクションごとにある「まとめ」は復習となるため、初学者としてはとても助かりました。数ページごとに、説明のための図や表などが入れられているため、視覚的に理解でき、本当にわかりやすいです。
免疫学の参考書として最初に「休み時間の免疫学」を選んだのですが、こちらの参考書は、既にある程度の知識がある人向けで、私にはちんぷんかんぷんでした。免疫学が苦手であったり、初学者ならば、この『好きになる免疫学』で全体像を整理して学び、より理解を深めるために「休み時間の免疫学」を選ぶのが良いかなと思います。
いちばんやさしい生理学
生理学を出題する大学は限られてきます。予備校でも生理学については学びますが、この参考書は、生理学についてオールカラーの図説も豊富・わかりやすくまとめられているので、入門参考書として最適です。赤シートもついてくるので、暗記本としても利用できるところもポイントが高い!とりあえず生理学が初学者の人には、絶対に買ってみてもらいたい1冊です。
★★★☆☆ 余力があれば
予備校の要項集
予備校に入校するともらえます。(メルカリなどで出品されていることも多いです。)学士編入受験において必要な知識は、全てこの1冊に載っています。生命科学は深く学べば学ぶほど時間がかかってしまうため、『どのくらいの深さの知識』が必要なのかの指針となるため、持っていることは心強かったです。
辞書的な立ち位置として利用していましたが、昨今のネットの普及のおかげで、そちらで調べる方がすぐに情報が出てくるため、最後の方は使用する頻度が下がってしまっていました。
予備校のプレミアム講座
最新の過去問に対して、解答作成のポイントとそれに関連した内容の復習ができる講座です。そのため、過去問の解答解説作成のためであれば、不要かなと思います。ただし、やはり問題に関する付属知識の復習となり、また通常講義の中で触れられていなかったようなハイレベルな内容も教えてくださるので、受講した後悔はありません。
休み時間の免疫学
先ほど紹介した『好きになる免疫学』よりも、内容が専門的なので、あらかじめに免疫学に関する基礎知識や用語を知っていないと理解できない部分も多いです。ただし、色別に重要点が塗られていることで試験に出やすい内容の整理がしやすいことや、セクションの最後にまとめがあるところ、そして、図説もついていることなどから、免疫学についてより詳しく対策したい人にはとてもオススメです。
昨今、免疫学というのはホットなトピックですので、受験対策すべき分野として大事かもしれません。
★★☆☆☆ 普通
予備校の医学英文法講座
英語力に自信がある人には不要な講座です。基本的な英文法や長文読解についての問題を解くのですが、実際の過去問よりも少し簡単なレベルの問題が集められているため、私は基本的に英語は過去問演習で主に対策していました。
ただ、使われている長文読解の問題文は、面白い生命科学の英文だったりするので、少し目を通しておくと良いかもしれません。
予備校の基礎レベル
先にオススメした『基礎問題精講義』と『標準問題精講』でカバーされている内容になっています。図説なども少なく、文字だけの説明では理解しにくかったです。問題のレベルも、市販の問題集でカバーできる内容になっているので正直購入する必要はありませんでした。
理系総合のための生命科学
生命科学についてをまとめた参考書です。範囲の広い生命科学についてを、章ごとに簡潔に図説とともにまとめられており、基礎を身につける段階の方でも理解しやす1冊になっています。最初の辞書的に利用する参考書としてオススメですが、先ほど紹介した『予備校の要項集』よりも内容は軽いため、要項集との併用利用に最適な一冊でした。
はじめの一歩のイラスト生理学
わかりやすいという口コミで購入しましたが、先に挙げている『いちばんやさしい生理学』がわかりやすすぎて惨敗してしまっています。内容のレベルとしては、『いちばんやさしい生理学』よりも踏み込んだ内容になっていますが、基本的な理解をするための参考書という点で、正直内容が重いため、理解しずらいです。
★☆☆☆☆ 不要またはオーバーワーク
医学部編入への生命科学演習
完成・実戦レベル問題の過去問が分野別にまとめられている1冊であり、学士編入受験者ならば一度は見たことがあるのではないでしょうか?問題としては良問が揃っていて、問題演習として利用するにはとても良い参考書なのですが、一つ大きな欠点があります。それは、本当に解説の内容が薄いということです。解説はほぼないに等しいです。そのため、先に別の参考書などで知識を入れてからでなければ、全く太刀打ちできない問題集です。
もしも、予備校の完成・実戦レベルのテキストやワークブックがあるならば、そちらで代用できますので、正直私は購入しなくてもよかったなと思います。
エッセンシャル細胞生物学
医学部学士編入受験のバイブルとまで一時期言われていた、エッセンシャル細胞生物ですが、私が受験においては不要だと感じました。なぜなら、まず情報量が多すぎるため、受験に必要な内容以外の細かすぎる知識まで書かれているからです。代わりに、『予備校の要項集』を利用するべきだと思います。こちらの方がコンパクトかつ明瞭簡潔な説明なため、使いやすいです。
CELL
エッセンシャル細胞生物学を同じ理由です。内容が重すぎるため、無駄に時間を食ってしまいます。私は不要であると思いました。
参考書に関するまとめサイト
- 2ch医学部学士編入スレまとめサイト@ ウィキ
- 医学部受験ノート
- aratalog