今別の大学に通いながら受験を考えている大学生に送る、医学部学士編入試験を合格した筆者が教えられる限りの『在学中にできることリスト』を盛り込んだ記事になります。
学士編入試験は、基本的には4年制大学を卒業して取得できる「学士(Bachelor’s Degree)」を持っていないと受験できない試験となっています。一度大学を卒業した資格を活かして医学部に合格すれば、入学時期も1年次からではなく、2年次(大学によっては3年次)からと少し在学期間を短くできることが利点です。高校卒業後、医学部以外の学部に進学した方で、その後医師を目指した方にとってはとても魅力的ではないでしょうか?
今回は、そんな学士編入試験について私が知ったのは、前の大学に在学していた3年生の春頃でした。

医学部再受験のために、共通試験の勉強をやり直すのは結構大変と思っていたので「学士編入試験」があることを知った時は驚きました。
そして、在学中から、すぐに行動して、受験のための準備を始めました。
そんな筆者が、受験準備の中で、特に在学中に優先してやっておいてよかったことについて書いていこうと思います。
大学1〜3年時にすべきこと
学士編入以外の受験も視野に入れてみよう
まだ共通テストから日が経って浅い低学年(1年生や2年生)の方は、学士編入よりも再受験の方が早く医学部に入学できる可能性があります。今の大学を卒業を必須とする学士編入試験の受験だと少し時間を食ってしまうというデメリットがありますので、学士編入試験でいいのかどうかをもう一度考えてみましょう。
成績はできるだけ良くしておこう
学士編入試験では、「成績証明書」の提出が必要になってきます。現在、在学中の大学での成績は、しっかりと受験でもみられてきますので、試験やレポートなどに手を抜きすぎないようにしましょう。「成績証明書」は、学士編入試験で合否に強く関わるかどうかは不明な部分ですが、成績が悪すぎると面接試験の時に聞かれてしまう場合があるそうです。不合格になるリスクをできるだけ減らすためにも、成績は良く維持しておきましょう。
もちろん留年や再履修なども成績のつけられ方によっては、学士編入の試験官にバレる可能性がありますので、本来の学業をおろそかにしないようにしましょう。
『前の大学では何を学びましたか?』と質問された時に答えられるように、在籍している学部の学問についてもしっかりと理解を深めておくことは、面接試験の準備につながります。
課外活動にも積極的に参加しよう
医学部が求める学士編入生というのは、多様な経験を積んでおり、その経験が医師となってからも生かされ、かつ、成長できるような人材です。在学している大学での学業だけでなく、研究活動やインターンシップなどに積極的に参加していきましょう。
研究活動の学会発表などを経験していることは、学士編入受験の時に大きくプラスに働きます。書類で志望動機として、また、面接試験で研究内容のプレゼンを求められたときにも利用できます。
様々な病院で無償ボランティアを募集しており、もしも医療と異なるような学部に在籍している学生でも医療現場に近い場所で課外活動ができる機会オススメです。
しかし、課外活動といっても飲食のアルバイト経験などは、自分の人生の経験としては大変重要なことですが、学士編入受験ではあまり重要視されません。試験官は大学教授などのアカデミックな世界で生きてきた人たちであることが多いため、アカデミア(研究や学業)に興味が強い場合が多いです。
そのため、課外活動でも学士編入受験でアドバンテージとなる経験かどうかをしっかりと見極めて挑戦していきましょう。
英語の勉強を習慣化しておこう
学士編入の受験科目を考える上で、絶対に外すことのできないのは英語です。英語はどの大学でも課されており、共通試験レベルから大学生でも読むのが難しい論文レベルまで様々です。英語が苦手な学生は、苦手意識を克服して勉強をしておきましょう。
最低でも共通試験の英語レベルは理解できなければならないので、共通試験の英語で9割を取れるくらいの英語力をつけておくことが重要です。
英語が得意であれば、NATUREやSCIENCEなどの科学論文雑誌を英語で早く読める練習をしておきましょう。自分の興味が惹かれる生命科学の話題についてを英語で検索し、それに関した論文を読んでみることで、科学系の英単語に触れることにつながります。これは本当に受験時に役に立つのでオススメです。



私のおすすめは、TED Talks!プレゼンが上手な方が話しているのでプレゼンの勉強にもなるし、内容が面白くて聞き入ってしまいます。
最終学年時(大学在学時)にしたこと
ゼミやお世話になった先生に推薦状についてお願いしよう
推薦状は、出願予定の大学によっては不要な場合もありますので、募集要項などを確認しておきましょう。ただし、募集要項や必要書類などは、年度によって大幅に変更がもたらされるのが学士編入試験です。昨年度まで推薦状は不要だった大学が、今年からな推薦状が必須になるなどの変更も多くあります。
そのための準備として、推薦状を書いてもらえそうな先生には事前にお願いをしておくことが重要です。ゼミや研究室または授業などでお世話になって先生に、「学士編入受験を考えていること」と「その際に推薦状が必要になったときにお願いしたい」ということを在学中から依頼しておきましょう。



出願を決めてから、今まで連絡もなかったのに、突然お願いするのも気が引けるからね・・・
それに、推薦状を頼もうと思っていた先生が多忙で推薦状を書く暇がないなんて場合、出願自体ができないなんてことも・・・
出願する大学によっては推薦状の書式まで決めている大学もあります。その際は、その書式通りに先生に依頼しなくてはなりません。在学中には、推薦状の下書きだけ先生と準備しておきましょう。
海外大学を卒業している場合は、出願先の大学の書式に従わなくても認められることが多いです。(募集要項が発表された時点で、大学側に確認しておきましょう!)
英語試験(TOEIC、TOEFL等)受験しよう
英語が受験科目として課されるだけではなく、TOEICやTOEFLのスコア成績を求めてくる大学も存在します。TOEICなどの英語試験への対策勉強はできるだけ早く終わらせてスコアを取っておけば、時間を他の科目により多く割くことができます。
英語試験の有効期限は、2年程度!
有効期限が切れたスコアは、受験の時に使えない場合が多いため、できるだけ最終学年あたりで英語の試験は受験しておきましょう。
志望動機の型を作り始めよう
学士編入受験において、多くの大学から課されることの多い『志望動機』ですが、書類選考などを突破するような良い志望動機を作成するには想像以上に時間が取られてしまいます。
最終学年となり、いよいよ受験が本格的になってくる中で、自分自身がしてきた研究内容や課外活動などを振り返り、どうやってアピールすべきなのかという志望動機の型を自分なりに作成してみましょう!もしも志望動機の作成方法が不明で、何をまずすればいいかわからないという方のための記事がありますので、こちらを参考にしてみてください。
大学レベルの生物学を勉強しよう
最終学年だと卒業単位はほとんど取り終わっている方は、空いている時間に少しづつ受験勉強を始めておきましょう。学士編入試験では、生命科学という科目は必ず課されます。生命科学の難易度としては、大学の1〜2年生が学ぶ教養科目レベルの生物レベルです。もしも生物系の学部に進学している場合は、すでに内容を履修している場合も多いですので、レジュメなどをみて復習しておきましょう。
生物系の授業選択がない学部に在籍しており、また大学受験で生物の勉強をあまりしていなかった人は、高校生部の参考書から勉強するのがオススメです。
私のおすすめの生物の参考書は、『基礎問題精講(旺文社)』
解説が本当に細かく、生物の初学者でも、この問題集を2周すれば確実に基本的な知識が定着します。
大学の生物への理解もイマイチな場合は、高校の生物の参考書からしっかりとし直すことが重要です。わからないところを、わからないままに放置しておくと、本番で点数が取れません。しっかりと基礎から理解をしましょう。
「植物」「進化」の分野は出題されることがあまりないので、後回しにしてOK
最後に
早め早めに受験の準備をしておくことは、合格への近道になります。学士編入試験は、受験科目の勉強だけでなく、志望動機、推薦状や英語試験など準備物が多いため大変ですが、自分なりのペースで頑張っていきましょう!